指定国立大学の追加指定〔全候補校指定へ〕

 2019年9月5日に「国立大学法人一橋大学から構想の充実・高度化に関する資料が提出され、指定国立大学法人部会の意見等を踏まえた構想の充実・高度化が図られていることを確認したことから、令和元年9月5日付けで、指定国立大学法人として指定しました。」との発表があり、指定国立大学は7大学となりました。
 スーパーグローバル大学の指定を受けていない一橋大学が指定国立大学になってことで、以前描いていた区分をやめて、国立大学三類型とだけ合わせて、以下のような序列を描いてみました。

〔文部科学省による令和時代の国立大学新序列〕
●:旧帝国大学、◆:旧官立大学、○:複合型地方新制国立大学(いわゆる「駅弁大学」)

【指定国立大学】7校
●東京大学、●京都大学、●東北大学、◆東京工業大学、●名古屋大学、●大阪大学、◆一橋大学

【世界水準型国立大学】(指定国立大学を除く)9校
●北海道大学、●九州大学、◆筑波大学、◆広島大学、◆神戸大学、◆千葉大学、◆岡山大学、◆金沢大学、東京農工大学

【特定分野型国立大学】11校
東京医科歯科大学、東京藝術大学、東京外国語大学、東京学芸大学、電気通信大学、東京海洋大学、九州工業大学、お茶の水女子大学、奈良女子大学、鹿屋体育大学、筑波技術大学

【地域貢献型国立大学】55校
北海道教育大学、室蘭工業大学、小樽商科大学、帯広畜産大学、旭川医科大学、北見工業大学、○弘前大学、○岩手大学、宮城教育大学、○秋田大学、○山形大学、○福島大学、○茨城大学、○宇都宮大学、○群馬大学、○埼玉大学、○横浜国立大学、◆新潟大学、上越教育大学、長岡技術科学大学、○富山大学、○福井大学、○山梨大学、○信州大学、○岐阜大学、○静岡大学、浜松医科大学、愛知教育大学、豊橋技術科学大学、名古屋工業大学、○三重大学、○滋賀大学、滋賀医科大学、京都工芸繊維大学、京都教育大学、大阪教育大学、兵庫教育大学、奈良教育大学、○和歌山大学、○鳥取大学、○島根大学、○山口大学、○徳島大学、鳴門教育大学、○香川大学、○愛媛大学、○高知大学、福岡教育大学、○佐賀大学、◆長崎大学、◆熊本大学、○大分大学、○宮崎大学、○鹿児島大学、○琉球大学

2019/9/5現在、大学院大学を除く。
JapanNationalUniv2019-3.png

 最新の週刊ダイヤモンドでも取り上げられていますが、国立大学の経営統合などの再編が盛んになってきています。国がそれを誘導していることが大きいのですが、上記のうちで再編される対象となるのは、主に地域貢献型国立大学となってきています。岐阜大学が名古屋大学と「東海国立大学機構」のもとで経営統合(事実上の名大への吸収合併?)、静岡大学と浜松医科大学の経営統合と大学再編、奈良教育大学が奈良女子大学と法人統合、帯広畜産大学・小樽商科大学・北見工業大学の経営統合などが進んできています。指定国立大学の候補校がすべて指定を受けたことで一段落し、今後の国立大学を巡っては、地域貢献型国立大学の処遇がどうなるか注目されるところです。
(2019/9/8追記)
 今回、指定国立大学の候補となっていた全7校がすべて指定されたのを受けて、上記した序列において、指定国立大学群が国立大学の中でどれほどのウエイトを持つかを、若干年次がバラつきますが、大学数、学部新入生数(≒1学年あたり学部学生数)総在籍学生数(学部学生数+大学院生数)専任教員数運営費交付金額寄附金受入額科研費配分額産学連携収入額で計算してみました。
 その結果、大学数では1割に満たない(8.1%)指定国立大学が、学部の新入生数では16.4%を占め、さらに大学院生まで含めた総在籍学生数では20.8%まで占めている状態でした。ちなみに、学生数関係では地域貢献型が依然過半数を占めています。なお、特定分野型は単科大学や大学院大学などが主体のため、学生数規模が小さいところが多いことから、大学数のウエイトの割に学生数関係のウエイトが極端に小さくなっています。
 また、専任教員数は26.8%と国立大学の教員の約1/4が指定国立大学の教員となっています。総在籍学生数と比較すると相対的にST比が指定国立大学で良いだろうことが窺えます。
 国からの運営費交付金については「教職員の人件費や研究費として」交付されるもののため、概ね専任教員数と同等のウエイトになっています(若干、指定国立大学は他の世界水準型国立大学に競り勝って、多めなのかな?)
 一方で、運営交付金に比して、指定国立大学のウエイトが高いのは、科研費配分額や産学連携収入などで、指定国立大学7校で国立大学全体の半分以上を占めます。つまり、相対的に外部からの資金の調達が強いと言えるでしょう。
JapanNationalUniv4Class201909-2.png
 ところで、指定国立大学の制度は大学の資産を生かして、資金調達しやすいように規制緩和を行った制度です。もちろん、研究上位の大学が、より資金調達をして多額を要する研究を賄うことは戦略としてありうるかと思います(それで民間ニーズの小さい基礎研究分野が軽視されるとなると問題ですが)。しかし、これまでに指定された7大学は、総体としてみれば国立大学の中でも外部資金調達がよく行われている大学群です。むしろ、資金調達力を増強しなければいけないのは、国からの運営費交付金に相対的に依存が高い地域貢献型国立大学など、他の国立大学群ではないでしょうか?
 指定国立大学の制度による規制緩和は、上位大学だけに限らず、より広く国立大学全体に普及されることが必要だと当ブログは思うのですが、いかがでしょうか。

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