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zoom RSS 歩留率・一般入試入学率・偏差値の関係

<<   作成日時 : 2015/04/27 02:17   >>

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 以前に歩留率一般入試入学率の各大学の状況を整理しましたが、ここでは両者の相関についてみてみたいと思います。
 なお、
 歩留率=入学者数÷合格者数
 一般入試入学者率=一般入試入学者数÷入学者数

です(夜間・二部を除く)

 依然として2014年データですが、歩留率と一般入試入学者率の双方の比較が可能なデータ、すなわち合格者数、入学者数、一般入試入学者数の3つが把握できる大学で検討しました。対象大学数は691校となりました。
 データは、蛍雪時代編集部『2015年度用 大学の真の実力 情報公開BOOK』旺文社(2014年9月)及び読売新聞教育部『大学の実力 2015』中央公論新社(2014年9月)の他、アエラムック教育編集部『大学ランキング 2016』朝日新聞出版(2015年4月)代々木ゼミナール「入試情報・入試結果」旺文社「大学受験パスナビ」大学ポートレート(私学版)、そして各大学HP等より収集しました。ちなみに、入学者数については本分析に用いた以外も含め全大学把握できました。

 まず、分析対象となった全大学の歩留率×一般入試入学者率の分布をみてみます。

 図1 歩留率×一般入試入学者率の分布(分析対象全大学)
画像

 これをみると、まず、大きく2つの塊があるのが分かります。
 1つが右上の分布。すなわち、歩留率も一般入試入学者率も平均以上で高いグループ。
 もう1つが左上から右下に帯状に連なるグループ。歩留率と一般入試入学者率が相殺されているように見えるグループ。
 この存在が確認できるかと思います。
 次に、平均との関係です。なお、この平均値は大学数ではなく人数ベースです。
 ここで、一般入試入学者率の平均値(56.7%)の線の上下の大学のプロット数は均等のように見えます。
 しかし、歩留率の平均値(44.8%)の線左右をみると、明らかに左側、つまり歩留率の低い側のプロット数が少なくみえます。これは、受験生の多い大学で、滑り止めなどの受験で歩留の悪い大規模な大学が平均より低い値となっているのが少なからずあるからです。
 例えば、
 立命館大学:合格者33240人のうち入学者7759人⇒23.3%
 明治大学:合格者25670人のうち入学者7387人⇒28.8%
 近畿大学:合格者28555人のうち入学者7291人⇒25.5%
 関西大学:合格者21924人のうち入学者6928人⇒31.6%
 法政大学:合格者22727人のうち入学者6814人⇒30.0%
 同志社大学:合格者20042人のうち入学者6375人⇒31.8%
 東洋大学:合格者18988人のうち入学者6373人⇒33.6%
 中央大学:合格者18749人のうち入学者5994人⇒32.0%
 関西学院大学:合格者14458人のうち入学者5322人⇒36.8%
 立教大学:合格者14023人のうち入学者4608人⇒32.9%
 神奈川大学:合格者12100人のうち入学者4394人⇒36.3%
 龍谷大学:合格者13869人のうち入学者4392人⇒31.7%
 福岡大学:合格者14455人のうち入学者4351人⇒30.1%
 専修大学:合格者12135人のうち入学者4241人⇒34.9%
 青山学院大学:合格者10795人のうち入学者4062人⇒37.6%
 駒澤大学:合格者11169人のうち入学者3557人⇒31.8%
 東京理科大学:合格者16390人のうち入学者3462人⇒21.1%
 中京大学:合格者11275人のうち入学者3240人⇒28.7%
 明治学院大学:合格者10486人のうち入学者3098人⇒29.5%
 大東文化大学:合格者8427人のうち入学者3059人⇒36.3%
 京都産業大学:合格者10879人のうち入学者3036人⇒27.9%
 東京農業大学:合格者9104人のうち入学者2857人⇒31.4%
 上智大学:合格者7842人のうち入学者2805人⇒35.8%
などといった具合です。
 これらの大規模大学の歩留率の低さが、大学数の割に人数ベースの平均値を押し下げています。なお、MARCH・関関同立という有名大学が全部40%未満にいます。
 同時に、1人で同一大学の複数の学部に合格という重複合格も歩留率を下げます。上記した大学の多くは多数の学部があるのでそういう重複分の影響が大きいはずです。勉強したい分野を問わないような募集はなんだかなぁ、とは思いますが、実態として受験生への訴求力があるのでしょうね。そんなものに引っ張れて欲しくないものですが…。

 さて、前述した2つのグループを明らかにするために、このプロットを国公私立に分けてみました。

 図2 国公私立別歩留率×一般入試入学者率の分布
画像

 これを見ると一目瞭然で、右上の塊が国公立大学のグループで、左上から右下への帯が私立大学です。公立大学の一部は両グループの間に散見されたりもします。
 そこで、私立大学について、この左上から右下の帯の相関をみてみました。

 図3 私立大学における歩留率と一般入試入学者率の相関
画像

 これをみると、直線回帰(青色の線)でy=-0.5979x+74.281という式が得られました。y=-xというような1対1の直線的な関係ではなく、歩留率の幅にくらべ一般入試入学者率の変化率は緩やかであるということです。歩留率が良くなくても非一般入試強化にはいささか抑制的であるといえるかもしれませんが、しかし、R²=0.2682であり、決して相関がいいわけではありません。やはり幅が広くなっていることから、傾向は認められなくもないが、一概には言えないというレベルです。
 そこで他の式での相関をみると、指数関数(赤色の線)で直線よりも高いR²がえられました。凹型になった曲線でであり、反比例グラフのように原点側に中央が引っ張られたような近似曲線となっています。これは、両端側での変化が大きいことを意味します。すなわち図中左側では、歩留率が低くなるほど、急激に一般入試入学者率が高まるという変化です。ただ、R²が良くなったといっても0.2926。線形に比べ極端に改善されたわけではありません。これも傾向が見受けられる程度です。

 このような傾向はどうして作られるのか。
 そこで偏差値との関係を見てみます。用いる偏差値は駿台全国判定模試(スタンダード模試)を基に算出した各大学の全学偏差値です。これを6段階に区分しました。なお、スタンダードを用いたのは、に示した傾向だと、ハイレベルを用いると私立大学の多くが下位に集中して評価されそうなので、分析しづらいからです。

 図4 私立大学における歩留率×一般入試入学者率の偏差値別分布
画像

 これを私立大学の人数ベースでの平均値を軸に四象限に分けてみました。
 偏差値帯別の大学数をみると以下のとおりです。

 表1 私立大学における歩留率×一般入試入学者率の四象限別偏差値別大学数
画像

 
 このような傾向はどこから生じるのか。
 国立大学は、入試日程上ほぼ最終であり国立大学を目指す受験生だけが集まります。そのため、合格すれば当然歩留もよくなります。また、現時点で国立大学の多くは一般試験以外の推薦やAO入試に抑制的です。75%以内に抑えているところがほとんどです。
 一方、私立大学は、国公立大学やより上位の私立大学への滑り止めとされることが少なくありません。だから、一般入試の歩留率は低くなります。そのため、推薦やAO、あるいは内部進学などで生徒の「青田刈り」をして学生確保に走りやすい傾向になります。また、一般入試枠を狭めて倍率を高めて、偏差値を高止まりさせようともします。
 しかし、推薦などでは学生の学力レベルが十分につかめず、またギリギリまで勉強を続けた一般入試入学者との学力差異がつくことも懸念されます。そのため、一定数の一般入試による入学者も確保したいところとなります。
 そこで各大学で一般入試と非一般入試とのバランスが戦略として図られます。
 ブランド力のある人気大学は、従前より偏差値も高くなっているのですが、こうした大学では非一般入試を多くしなくとも、相当数の数の学生が残ります。歩留率が悪くても、定員を確保できる見とおしがあるので、目先の偏差値をより高くしようと考えない限り、推薦やAOを増やす動機がありません。そのため、有名大学・難関大学ほど、歩留率が低く、一般入試入学者率が高くなります。図4の中の左上の第U象限に位置することとなります。
 他方で、無名大学は、そもそも一般入試の受験者数そのものが少なく定員割れを起こしかねません。偏差値も下がり過ぎるとより敬遠されることに拍車がかかります。そこで一般入試を絞って、推薦やAOで確実に学生の確保に走ろうとします。その結果、図4中の右下の第W象限に位置しやすくになります。
 さらに図3で示した凹型の曲線の相対的な相関の良さは、有名大学などが歩留が悪くても、大量の合格者を出しながら一般入試を維持している傾向と合致し、人気大学ほどその傾向を強めている可能性を示唆しているでしょう。他方で、右側では歩留率が高まっても一般入試入学者率の落ち方が緩慢いえますが、見方を変えれば、一般入試の比率を少しでも落としていけば確実に歩留が高まるという効果を示していると読めもします。無名大学の「青田刈り」の促進がうかがえるともいえるでしょう。

 この有名大学と無名大学との間で、各私立大学が漸移的に分布するため帯状になってきます。もっとも偏差値の高くない大学でも第U象限に位置するものもあり一様ではありません。特に工業系の大学では人気が当ても偏差値は低く出やすいためのあります。
 もちろん、当該私立大学を第一志望としたい人が増え、一般入試が活況を呈するなら図4中の右上の第T象限の方へ移動していくでしょう。他方で、右下に位置したものの、それでも志望者が減り定員割れを起こすようだと、推薦やAOへの応募者も減り定員自体を減らさざるをえなくなり、相対的に一般入試も募集割合が高まるも、そこで辞退が慢性化すれば、一般入試入学者比率も歩留率も悪化し、図中の左下の第V象限へと埋没していくことになるでしょう。動態的に見るデータまで整備できていないのではっきりとはいえませんが、帯状のまとまりが直線的でなくなんとなく星雲的に幅があるように見えるのは、そういう分化への動きなのかもしれません。

 ここで、各象限で偏差値50以上の大学を具体的に示すと以下のとおりです。

 図5 各象限での上位大学(全学平均偏差値50以上の私立大学)
画像

 図4の右上に位置する、国公立大学と同様な第T象限に入っているは、まず、早慶・ICUといった私大の中でも特に難易度・ブランド力のある大学です。次いで医歯薬看護の専門的な大学が多数この範疇になっています。定員管理が厳しいためか、これらの大学ではそもそも保険的な合格者はあまり出さないようですね。麻布や獣医生命などの獣医も同様でしょう。それと、第T象限には学習院や神戸女学院などの本当にブランド力のある大学も入っています。
 第U象限には、偏差値上位の大規模大学が入っています。MARCHや関関同立(関学を除く)などはここに位置します。国立や早慶が最終の入学先が多いであろうことや、先に触れた複数学部への重複合格も多いからだとみられます。合格者数が非常に多い分、全体の歩留率の平均もこれらが引き下げている面があります。
 第V象限には3大学のみですが、関西の3大学が入っています。それも平均値をわずかに下回るだけですが、関西学院などは内進や推薦が多いためか、他の同列大学と異なり、唯一平均をした回る位置に入っています。
 第W象限の4大学に、2つの外国語大学と立命館アジア太平洋という国際系上位大学が入ったのが特徴です。

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