国立大学の旧一期・二期校と前期募集人員割合

 先に、今年の国公立二次試験の前期募集人員割合を示しました。
 そもそも、昔にも国立大学入試には前日程と後日程とがありました。それが一期校・二期校と言われたものです。旺文社教育情報センターの『大学進学 INFORMATION 今月の視点』の2011年4月号にある「大学入試の“温故知新”! 80周年の受験情報誌『螢雪時代』にみる学校・入試制度の変遷、受験生の感性」によりますと、新制大学発足直後の1949年の入試から「共通一次試験」が始まる前年の1978年まで、30年近く続いた制度だったようです。現在の前期・後期と違うのは、センター試験が間に咬むこと以外に、一期校・二期校は大学単位で指定されており、現在のように一つの大学で二度試験がある制度ではありませんでした。
 この一期校・二期校は必ずしも固定化されているものではなかったようですが、前掲記事によると「高校における1期校への進学率の優劣が学校評価に繋がる傾向にある」とあるように、一期に有力大学が集まる状況でした。
 具体的に、前掲記事で示されている最終年度の一期校・二期校は以下の通りです。旧帝大・旧官立大が一期に結集しているのが分かります。
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出典)旺文社教育情報センター「大学入試の“温故知新”! 80周年の受験情報誌『螢雪時代』にみる学校・入試制度の変遷、受験生の感性」(『大学進学 INFORMATION 今月の視点2011年4月』掲載)より

 この最終年度の旧一期・二期の区分に基づき、今年の前期募集人員割合を集計してみました。
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 旧一期校の2019年前期募集人員割合は87.9%、旧二期校は同74.5%と、国立全体平均81.7%、今でもやはり旧一期校は前のめりで、旧二期校は相対的に後ろに比重がある感がぬぐえません。
 旧一期校では、東大が推薦入試を始めた中、一般入試での後期試験を廃止して前期100%になった他、旧帝大は、一つを除いて、いずこも前に重心があります。その除いた一つが北海道大学で2019年前期募集人員割合が79.7%と、全体平均よりも低い割合となっています。そして、この後期日程に「旧帝進学への最後の砦」とばかりに全国から北大に受験生が集まってきます。また、地方国立は、前期の旧帝など上位を逃した受験生を受け止めるのに後期の門戸を広く開ける傾向がありますが、しかし、旧一期校という背景なのでしょうか、高知大学は依然として前期募集人員割合が高い傾向を保っています。
 一方の旧二期校では、大阪大学に吸収された旧大阪外国語大学の阪大外国語学部は阪大全体の日程に合わせて前期100%になるといった変化もあります。しかし、神戸大学において旧二期校の神戸商船大学だった神大海事科学部は他学部よりも前期募集人員割合が低い傾向を維持していたりします。何より特徴的なのは、かつて「二期校の星」と言われた横浜国立大学が前期募集人員割合63.0%と相対的に低率を保っており、旧二期校の面影が色濃く残っていると思います。そして、横国と同じく難関大学の農繊名電もまた70%未満の前期募集人員割合となっており、後ろ寄りの特徴を残しています。
 もはや旧一期・二期校の制度がなくなって40年以上がたちます。勿論、歴史性で全てを決しているわけでもなく各大学の戦略の中で必然的にこうなっているのでしょうけど、それでも、かつての歴史の足跡を何か感じてしまうのでした。

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