【2017/5/4データ一部変更】 これまで、各種の世界大学ランキング等を総合して評価してみるのに、ランクイン数&国内順位平均による方式や勝点方式によって順位付けを試みてきました。 ただ、やはり何か違和感が残ってまして… 例えば、2016年版では勝点方式で、岡山大学が13位で、広島大学が17位となりました。これは広大が上海のARWUのランキングから圏外に落ちてしまったことが大きく影響しています。 しかし、岡山大学vs広島大学で各々のランキングをみると、岡大はARWUに残留して広大を上回ったものの、他のランキングでは広大のほうが上位というものが多くなっています。つまり、2大学対抗の中では広大のほうが岡大より上に来るのです。 そこで、今回は試しとして、2大学間で複数のランキングの勝ち負けをカウントし、勝った対戦数の多い方が2大学間対抗での勝者という形、剣道や卓球といった個人競技の団体戦での勝敗を決めるときの方法で算出を試みてみました。大学院大学なども含んで791大学間の総当たりの団体戦です。下図のようなイメージです。 ここで、できるだけ対戦の数が多い方が良いので、従来から使用しています7種類に加え、先般発表されました「THE世界大学ランキング日本版」とロイターによる「Asia's Most Innovative Universities(アジアで最も革新的な大学ランキング)」(以下AMIU)の2016年版をも加え9種での対抗としました。なお、THEのAsia版も更新されましたので、そちらも用いています。 ただ、多い方がいいとはいえ、THEの日本版では293大学が載りました。他のランキングでは多くても70大学ぐらいのため、上図でも示したとおり、ランクインの少ない大学間では、順位平均の差が大きいのにも関わらず引き分けてしまい、掲載大学数の多いランキングに載るほど有利という結果になります。 そこでバランスをとるために、THE日本版は100位までを採用し、それ未満はランク外相当としました。 評価方法は、2大学間の勝数>同引分数>ランクイン数>国内順位平均のプライオリティとします。 (1)2大学間の勝数 9種のランキングにおいて2大学間で上位側の順位をとったランキング種類数が多いほうを勝ちとする。その勝数の多さが第1の優先とする。 (2)2大学間の引分数 上記(1)が同数の場合は、引分数が多いほうを上位とする。これは同時の負数の少なさを優先することとなる (3)ランクイン数 上記(1)(2)が同点の場合は、9種の中でランクインした数の多いほうを優先する。 (4)国内順位平均 上記(1)(2)(3)で同点の場合は、各ランキングの国内順位の平均値が小さい(順位が高い)方を優先する。 (5)上記(1)(2)(3)(4)で差が付かない場合は同順位とする。 この791大学間対抗の結果が下のとおりです。 まず、東大は790戦全勝です。一昨年のQSの世界ランキングでは京大が日本の1位になるというランキングもありましたが、直近のものでは全て東大がトップとなっています。 2位も安定の京大で、1つ1つのランキングでは阪大や東北大などに負けることはありますが、9種合計となると取りこぼしをカバーして、東大以外の大学には負けていません。 3位が阪大、4位が東北大で、この間は僅差です。両者の勝数は並んでいますが、阪大が東工大と引き分けた分だけ東北大を上回っています。上位は1勝の差でずっとならんでいます。 トップ10に伸るか反るかの早慶の争いも熾烈です。勝数・引き分け数・ランクイン数では互角で、最後の順位平均でやや慶応が早大を上回りトップ10入りとなっています。 上述した広島・岡山のあたりですが、この評価方法だと、ARWUから落ちたものの、他のランキングでは上位に入る広島・東京医科歯科・首都東京などが、岡山・千葉・大阪市立らを上回る位置となりました。全体の傾向をみると、これぐらいの位置関係が今のところ違和感ないかな。 「THE世界大学ランキング日本版」を加えたことで、非常にランキングに名前の出る大学数が増えました。 ただ、この「THE世界大学ランキング日本版」に協力しなかった大学もあり、例えば立教大学は、日本版の評価指標を見る限り、同版のランク外になることは考えづらいかと思います。立教はQSの2016年のアジア版には37位に上がっているものの、他では大学ランキングではランクインしていません。THEの日本版にも出なかったことから、1種のみのランクインとなり、上位が他のランキングの勝数で立教を上回るため、今回試算した下記のランキングにおいて非常に不利となっています。他のGMARCH・関関同立勢が100位以内に入る中、立教は108位に留まりました(ただ依然THE日本版とのバランスが問題で、THE日本版のみにランクインした神田外大が順位平均46位にも関わらず、QS-Asiaで37位の立教よりも上位ということになってしまっています)。 これまでの世界大学ランキングに絡める日本の大学の多くが、理系に強みのある大学でしたが、今回、日本国内事情を勘案したとされるTHEの日本版を加えたことで、100位内には、国際系や語学系の大学も現れるようになりました。 とまぁ、とどのつまりは数字のお遊びのわけですが、金も時間も権限も能力もない一般人が、何か言えそうな材料がないかとこねくり回した結果です。 ついでに言うと、さすがにこの計算をExcelの関数を駆使してやったもんですから、異様にメモリーを食ってしまい、PCが止まりそうになりました。金も時間も権限も能力も機材も技術も無いまま、馬鹿なことをやっているわけです。 【暫定版2017年版世界大学ランキングにおける日本国内順位の総合評価】(団体戦方式) ●:国立大学、▲:公立大学、○:私立大学、入:ランクイン数、順:国内順位平均 1位:●東京大学 (790勝0敗0分、入9、順1.0) 2位:●京都大学 (789勝1敗0分、入9、順2.4) 3位:●大阪大学 (787勝2敗1分、入9、順4.2) 4位:●東北大学 (787勝3敗0分、入9、順4.0) 5位:●東京工業大学 (786勝3敗1分、入9、順5.2) 6位:●名古屋大学 (785勝5敗0分、入9、順5.7) 7位:●九州大学 (784勝6敗0分、入9、順7.7) 8位:●北海道大学 (783勝7敗0分、入9、順8.6) 9位:●筑波大学 (782勝8敗0分、入9、順9.9) 10位:○慶應義塾大学 (780勝9敗1分、入9、順11.5) 11位:○早稲田大学 (780勝9敗1分、入9、順13.2) 12位:●広島大学 (779勝11敗0分、入8、順12.3) 13位:●神戸大学 (777勝12敗1分、入9、順16.4) 14位:●東京医科歯科大学 (777勝13敗0分、入8、順16.2) 15位:▲首都大学東京 (776勝14敗0分、入7、順17.1) 16位:●岡山大学 (775勝14敗1分、入9、順17.9) 17位:●千葉大学 (774勝16敗0分、入9、順17.8) 18位:●金沢大学 (773勝17敗0分、入8、順19.8) 19位:●熊本大学 (772勝18敗0分、入8、順22.4) 20位:▲大阪市立大学 (771勝19敗0分、入8、順24.9) 21位:○東京理科大学 (770勝20敗0分、入8、順24.6) 22位:●長崎大学 (769勝21敗0分、入7、順28.2) 23位:▲横浜市立大学 (765勝22敗3分、入7、順31.1) 24位:●東京農工大学 (765勝22敗3分、入6、順24.5) 25位:●信州大学 (765勝24敗1分、入8、順31.1) 26位:●新潟大学 (764勝22敗4分、入7、順30.6) 27位:●横浜国立大学 (761勝28敗1分、入6、順36.8) 28位:●徳島大学 (761勝29敗0分、入6、順38.0) 29位:○立命館大学 (760勝28敗2分、入7、順40.8) 30位:●愛媛大学 (759勝30敗1分、入5、順34.8) 31位:○順天堂大学 (758勝31敗1分、入4、順25.3) 32位:○東海大学 (756勝33敗1分、入7、順46.8) 33位:●群馬大学 (754勝32敗4分、入6、順42.7) 34位:●山形大学 (754勝33敗3分、入6、順41.3) 35位:▲大阪府立大学 (754勝34敗2分、入7、順44.9) 36位:●岐阜大学 (752勝35敗3分、入7、順46.3) 37位:○近畿大学 (752勝35敗3分、入6、順42.5) 38位:●鹿児島大学 (752勝37敗1分、入5、順40.8) 39位:●高知大学 (750勝38敗2分、入6、順45.8) 40位:●山口大学 (747勝36敗7分、入6、順45.0) 41位:●埼玉大学 (745勝38敗7分、入6、順47.7) 42位:●富山大学 (745勝41敗4分、入5、順47.0) 43位:○豊田工業大学 (743勝37敗10分、入4、順32.5) 44位:▲名古屋市立大学 (743勝41敗6分、入4、順46.5) 45位:●名古屋工業大学 (740勝46敗4分、入4、順46.8) 46位:●一橋大学 (739勝36敗15分、入3、順14.7) 47位:○日本大学 (739勝42敗9分、入5、順41.4) 48位:●豊橋技術科学大学 (739勝43敗8分、入3、順31.0) 49位:●九州工業大学 (738勝42敗10分、入4、順40.0) 50位:○同志社大学 (738勝45敗7分、入5、順46.0) 51位:○上智大学 (738勝47敗5分、入4、順39.1) 52位:●山梨大学 (736勝47敗7分、入4、順50.3) 53位:●静岡大学 (735勝48敗7分、入5、順53.4) 54位:○明治大学 (733勝51敗6分、入4、順48.0) 55位:●長岡技術科学大学 (732勝51敗7分、入3、順38.5) 56位:○東京慈恵会医科大学 (731勝50敗9分、入3、順38.3) 57位:○中央大学 (729勝54敗7分、入4、順52.9) 58位:●東京海洋大学 (728勝56敗6分、入3、順44.8) 59位:●お茶の水女子大学 (726勝53敗11分、入3、順39.5) 60位:○関西学院大学 (726勝58敗6分、入4、順55.8) 61位:○青山学院大学 (722勝56敗12分、入3、順43.2) 62位:○関西大学 (722勝60敗8分、入4、順60.0) 63位:●鳥取大学 (722勝62敗6分、入4、順64.1) 64位:○埼玉医科大学 (721勝55敗14分、入3、順50.5) 65位:●島根大学 (720勝59敗11分、入5、順68.9) 66位:●宇都宮大学 (718勝65敗7分、入3、順56.2) 67位:●佐賀大学 (718勝67敗5分、入3、順57.2) 68位:○昭和大学 (717勝58敗15分、入3、順52.5) 69位:●電気通信大学 (717勝62敗11分、入3、順46.2) 70位:●岩手大学 (717勝63敗10分、入4、順62.3) 71位:○芝浦工業大学 (717勝67敗6分、入3、順58.0) 72位:●京都工芸繊維大学 (717勝68敗5分、入3、順55.5) 73位:○国際基督教大学 (713勝55敗22分、入2、順23.5) 74位:▲国際教養大学 (713勝56敗21分、入2、順22.5) 75位:○北里大学 (713勝70敗7分、入3、順62.2) 76位:○東京都市大学 (710勝71敗9分、入3、順61.0) 77位:●三重大学 (710勝74敗6分、入3、順67.3) 78位:●奈良先端科学技術大学院大学 (705勝68敗17分、入2、順24.5) 79位:●総合研究大学院大学 (705勝68敗17分、入2、順25.3) 80位:●大分大学 (704勝74敗12分、入3、順69.7) 81位:○東京女子医科大学 (701勝72敗17分、入2、順37.8) 82位:▲秋田県立大学 (701勝73敗16分、入2、順50.5) 83位:○学習院大学 (698勝76敗16分、入2、順55.8) 84位:○千葉工業大学 (696勝76敗18分、入2、順57.8) 84位:○東京電機大学 (696勝76敗18分、入2、順57.8) 84位:○法政大学 (696勝76敗18分、入2、順57.8) 87位:●宮崎大学 (696勝83敗11分、入2、順57.0) 88位:●秋田大学 (692勝81敗17分、入2、順68.3) 89位:●福井大学 (691勝79敗20分、入2、順57.5) 90位:○東京農業大学 (691勝82敗17分、入2、順55.5) 91位:●弘前大学 (688勝86敗16分、入2、順69.8) 92位:▲兵庫県立大学 (687勝80敗23分、入2、順68.0) 93位:○京都産業大学 (684勝85敗21分、入2、順77.8) 94位:●茨城大学 (682勝86敗22分、入2、順73.3) 95位:▲会津大学 (679勝86敗25分、入1、順23.0) 96位:●浜松医科大学 (678勝87敗25分、入2、順78.5) 97位:○立命館アジア太平洋大学 (678勝87敗25分、入1、順24.5) 98位:●東京外国語大学 (677勝88敗25分、入1、順27.0) 99位:○神田外語大学 (676勝90敗24分、入1、順46.0) 100位:▲福岡女子大学 (675勝91敗24分、入1、順48.0) 101位:○南山大学 (674勝92敗24分、入1、順55.5) 102位:▲北九州市立大学 (673勝94敗23分、入1、順62.0) 103位:○金沢工業大学 (672勝97敗21分、入1、順69.0) 104位:○東洋大学 (671勝99敗20分、入1、順76.5) 105位:○龍谷大学 (670勝101敗19分、入1、順80.5) 106位:○自治医科大学 (669勝89敗32分、入1、順43.0) 107位:○成蹊大学 (669勝103敗18分、入1、順83.0) 108位:○立教大学 (668勝89敗33分、入1、順37.0) 109位:▲札幌医科大学 (668勝90敗32分、入1、順46.0) 110位:○久留米大学 (667勝91敗32分、入1、順48.0) 111位:▲山口県立大学 (667勝93敗30分、入1、順52.0) 112位:○神奈川大学 (667勝105敗18分、入1、順89.5) 112位:○関西外国語大学 (667勝105敗18分、入1、順89.5) 114位:▲京都府立医科大学 (666勝92敗32分、入1、順50.0) 115位:●福島大学 (666勝108敗16分、入1、順95.0) 116位:○東邦大学 (665勝94敗31分、入1、順56.0) 117位:○名城大学 (665勝109敗16分、入1、順96.0) 118位:○福岡大学 (664勝96敗30分、入1、順63.0) 119位:●琉球大学 (663勝98敗29分、入1、順67.0) 120位:●香川大学 (663勝110敗17分、入1、順97.5) 120位:○西南学院大学 (663勝110敗17分、入1、順97.5) 122位:○東京医科大学 (662勝94敗34分、入1、順38.0) 123位:●奈良女子大学 (662勝97敗31分、入1、順67.5) 123位:▲群馬県立女子大学 (662勝97敗31分、入1、順67.5) 123位:○日本女子大学 (662勝97敗31分、入1、順67.5) 123位:○同志社女子大学 (662勝97敗31分、入1、順67.5) 123位:○崇城大学 (662勝97敗31分、入1、順67.5) 128位:○帝京大学 (662勝99敗29分、入1、順71.0) 129位:○玉川大学 (662勝112敗16分、入1、順99.5) (これ以降の大学は、勝数を持たない) 注)対象とした世界大学ランキング等 ・Times Higher Education World University Rankings 2016-2017 ・Times Higher Education Asia University Rankings 2017 ・Times Higher Education 世界大学ランキング日本版2017 (但し、上位100位まで) ・QS World University Rankings 2016-2017 ・QS University Rankings: Asia 2016 ・Academic Ranking of World Universities 2016 ・CWUR 2016 - World University Rankings ・U.S.News Best Global Universities Rankings 2017 ・Reuters Asia's Most Innovative Universities 2016 ちなみに、団体戦方式の結果について、上位50大学間でみると下表のとおりとなります。 |
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2016年版 世界大学ランキングにおける日本国内順位の総合評価 (団体戦方式)
前回試算しました「団体戦方式」の総合評価手法に則りまして、2016年の世界大学ランキングからの日本の大学の評価をし直しました結果、下のとおりとなりました。 ...続きを見る |
数字作ってみた 2017/05/05 15:37 |
暫定版 2017年版世界大学ランキングにおける日本国内順位の総合評価(団体戦方式) 拡張Ver
前々回に、THE、QS、ARWU、CWURといった比較的権威のあるとされる9種類の世界大学ランキング等を用いて、団体戦方式と称して、ま、いわばマウンティングな方法で日本の大学の順位付けを試みました。 ただ、世界大学ランキング等については、それらメジャーなもの以外にもいろいろあります。そこで、我がPC君に踏ん張ってもらって、主に総合評価的なもの中心に、さらに対象ランキングを増やして全部で20種類のランキングでこの団体戦方式の計算をしました。世界ランキングだけではなく、先日、東洋経済新報... ...続きを見る |
数字作ってみた 2017/05/18 02:36 |
内 容 | ニックネーム/日時 |
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いつも楽しく読んでます!PCさん、もう少しガンバレ🏁 |
ゆう 2017/05/13 12:22 |
>ゆうさん |
たぬたぬ 2017/05/20 02:23 |
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