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zoom RSS 文部科学省『入学者選抜実施状況』からみる人数・倍率・比率等の推移

<<   作成日時 : 2017/12/31 13:55   >>

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 文部科学省では毎年大学入試の実施結果に関する『入学者選抜実施状況』という資料を公表しています。
 現在公開されている同資料から、国公私の設置別の2010年〜2017年の入試結果(通信制及び外国人入学生の選抜を除く)についての数値を追ってみました。

1.募集人員

 一般入試と非一般入試(推薦入試・AO入試・帰国子女入試・社会人入試など)と合わせた全体の募集人員をみると、私立大学と公立大学は少しづつ枠が拡大してきています。特に公立は新規開学や私立からの転換などもあり、2017年には2010年に比して7.8%の募集人員増となっています。
 一方、国立大学では募集人員が、少子化に呼応してわずかに削減されてきています。
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 募集人員のうち、一般入試分についてみると、全募集人員と同じく私立大学と公立大学とが増え、国立大学がわずかに下がる傾向があります。
 特に私立大学では2010年に比して2017年は10.5%増え、公立大学の伸びを上回っています。
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 全募集人員に占める一般入試の募集人員の割合をみると、国立大学や公立大学では、わずかにその比率を下げてきています。
 一方、私立大学では2010年の54.3%から2017年の56.8%へと比率が上がっています。世間的にはAOや推薦の割合が上がったとよく言われますが、募集人員だけみれば、むしろ一般入試のほうが拡大してきています。
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2.入学志願者数

 入学志願者数全体は、国立大学は2011年の41.7万人のあと、減少が続いており、2017年には38.1万人へと、2010年対比で6.5%減となっています。公立は15万人台を一進一退で、2017年は16万人台となりました。
 一方で、私立大学は400万人に迫るまで志願者数を増やしており、2010年に比して23.1%も増やしています。この背景には多くの大学が複数の試験日程をもって受験回数を増やしていることがあると考えられます。
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 入学志願者のうち、一般入試分についても全体と同じような増減傾向です。私立大学の一般入試志願者数は2010年に比べ2017年は23.9%も増加しています。
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3.志願倍率

 入学志願者数÷募集人員で求める志願倍率では、国立大学は緩やかに低下傾向にあり、2017年は3.99倍と、4倍を切ってきます。公立大学も2010年の5.71倍から低下傾向だったのですが、2015年以降やや持ち直し、2017年は5.45倍となっています。
 一方で私立大学は上昇傾向が続いており、2017年には8倍を超えて8.31倍となっています。
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 一般入試の志願倍率をみると、国公私ともに全体の傾向と類似しています。その中で私立大学では2010年の11.29倍が2017年には12.67倍へと上昇しています。募集人員を上回る志願者数は、上述したように試験回数が複数化され、1回の試験の募集人員が少量になっても、志望者がそれぞれに出願しているであろうことが想像できます。また、インターネット出願など手軽な出願を私立大学が率先して進めてきたことも影響していると思われます。
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4.受験者数

 受験者数は、先に合格した大学が本命であったら残りを受けないといったことから、志願者数に比べ人数が減りますが、増減の傾向は志願者数の動向と同様となります。
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 一般入試の受験者数も、上述の受験者数全体の傾向と同じです。特に私立大学は2016、2017年に大きく受験者数を伸ばしています。
 なお、国立大学では2011年の志願者数−受験者数は81.4千人に対し、2017年の志願者数−受験者数は91.6千人と拡大してきており、私立大学を第一志望として国立受験を避けるか、あるいは競争率低下で前期で合格する受験生が増えて後期回避が増えたのか、ともかく、国立受験の回避の人数が増えています。
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5.合格者数

 合格者数については、この直近で変化がありました。
 文部科学省が私立大学に定員管理の厳格化を通知したことで、今後の補助金に影響するため、私立は定員超過した入学の幅を抑えざるをえなくなりました。それに伴い、特に2016年・2017年と、私立の募集定員は増えても合格者数を抑えことになりました。それに伴い2010年に比して2016年に19.6%まで増えていた私立の合格者は、2017年には2010年比で18.6%増に下がりました。
 なお、公立大学は直近も増加傾向を継続、国立大学はやや減少傾向となっています。
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 私立大学における一般入試の合格者数も、上記同様に抑えられました。
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 合格者数全体に占める一般入試合格数者の割合をみると、国立大学や公立大学では大きな変化はみられず、横ばいからやや低下傾向で推移していました。私立大学では2010→2014年では3ポイント以上したものの、その後は横ばいから低下傾向へと変わってきています。
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6.実質倍率

 受験者数÷合格者数で求められる実質倍率については、国公私とも3倍前後で推移しています。公立大学の実質倍率はやや高めで3倍台で推移し、国立大学と私立大学が3倍を下回る程度でした。
 ただ、ここにきて私立大学は受験機会増などで受験者数が増加する一方で、上述のとおり入学定員を抑えるために合格者数も抑えられてきたことから実質倍率が急に上がりました。
 国立は2015年以降横ばいとなっています。
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 一般入試の実質倍率では、国立大学や公立大学では2010年に比して低い傾向が近年続いていましたが、私立大学については、上述の定員厳格化の影響が色濃く表れて、2015年を底に、2016年・2017年と実質倍率があがり、2015年に3.08倍だたものが2017年には3.48倍へとなり、2010年のレベルを超えました。
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7.入学者数

 入学者数の推移をみると、公立大学は一貫して増加傾向になています。私立大学は2014年以降、増加傾向になっており、定員超過を削減しても募集人員の拡大に応じて入学者数の拡大は続いています。また、定員厳格化により、上位大学から下位の大学に入学者が流れたことから、日本私立学校振興・共済事業団の調査によると2017年には定員割れ大学が減少したという現象が生じています。
 国立は2014年以降、募集人員をやや削減していることに並行して、入学者数のやや減少しています。
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 一般入試の入学者数の推移も、上述の入学者数全体の傾向とほぼ同様となっています。なお、私立の一般入試入学者数の増加は2011年以降から続いています。
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 入学者数全体に占める一般入試による入学者数の割合(一般入試入学者率)の推移をみると、国公私とも2010年以降、概ね一定のレベルを維持しています。極端にAOや推薦などの非一般入試の割合が上がったということはありません。
 ただし、この1〜2年は一般入試入学者率が若干の低下傾向になっています。
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8.歩留率

 入学者数÷受験者数から求められる歩留率の推移をみると、国立大学と公立大学は2010年以降、概ね一定水準を維持しています。
 私立大学は、上述したとおり、1つの大学での受験機会の複数化などにより延べの合格者数が増加しているとみられることから、複数試験の合格者からのキャンセルから、2010年以降2016年まで一貫して歩留率は緩やかに低下傾向を続けてきました。ただ、定員厳格化の影響で合格者を絞り込んだこともあり、多数の合格を得る受験生が減ったためか、2017年は歩留率がわずかに増加に転じました。
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 一般入試の歩留率をみても、全体の歩留率と同様な推移を辿っています。
 私立大学については、2010年には30%あった歩留率が2015年・2016年には25%を切るレベルにまで低下していました。ただ、これも2017年には25.3%と、25%を上回る程度にわずかに回復しています。
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9.歩留率・一般入試入学者率の大学分布(2017年)

 上述した歩留率・一般入試入学者率について、以前に算出した2017年の各大学におけるデータの分布を重ね合わせると下図のようになります。
 文科省の入学者選抜実施状況が人数ベースのため、大学の分布の見た目と異なっている感があります。特に私立大学では、大学の分布よりも歩留率が低く、一般入試入学者率が高い方に平均があるようにみえますが、これは大規模な大学がその方向に寄っているためとみられます。
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