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zoom RSS 地方国立大学はローカルな存在か?(学校基本調査による地元高校からの入学者率)

<<   作成日時 : 2016/03/19 07:05   >>

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 以前に示した国立大学3類型においては、各大学の「ミッションの再定義」に基づかせつつ、多くの地方国立大学をいわば「地域貢献型」と位置づけさせました。
 ここでの「地域」の定義は明確にはされていないので、広域なのか狭域なのかなど、その解釈は各大学に任されています。ただ、各都道府県に最低1つは整備されているということからすると、多くの大学では、地域とは地元の県のレベルと捕らえることが常識的な範囲のなるんじゃないかと思います。
 それでは各国立大学がどれだけ地元に即してローカル性が高いのか。一つの指標として、ここでは各大学における地元都道府県の高校からの入学者率という側面から見てみたいと思います。
 そこで以前にも使った文部科学省の「学校基本調査」からデータを作ってみたいと思いますが、しかし、この統計では大学単位ではなく都道府県単位となるため、残念ながら各都道府県の国公私立別の合計値でみていくしかありません。
 
 各都道府県の国公私の大学種類別に、入学者に占める地元都道府県の高校からの入学者の割合を集計すると以下のとおりです。なお、ここでは2012〜15年までの4ヶ年の入学者の合計値から算出しています。
 これでみると、全大学種合計で全国平均が42.3%となっており、4割強が大学のある地元の高校から進学していることが分かります。種類別には国立大学が34.8%、公立大学が46.5%、私立大学が43.6%となっています。公立大学は各自治体の住民の入学者については入学金や授業料を安価に抑えるなど、地元優先の形になるところが多いことも、自県内高校からの進学者の率が高いものとみられます。また、看護や福祉の学部など地元の医療・福祉需要や女子の需要が多いことも関係するかもしれません。
 国立と私立の間では、私立のほうが地元高校からの入学者率が高くなっています。
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 上記表ではハッチングをかけています。このハッチングは、東京都の私立大学における東京都内高校からの入学者率(33.5%)と比べての高低を、高ければ赤、低ければ青で示しています。早慶MARCH・日東駒専など全国から学生を集める大規模大学を含んでいる、ある意味で非常にオープンで多数の学生を全国から呼び寄せる東京の私立大学の層との比較です。
 公立あるいは私立の全国平均の値よりも東京の私立大での比率は低く、国立大学平均では上記のとおり34.8%であり、ここでも東京の私立大学における東京都内の高校からの入学率は低くなっています。
 ただ、各県別にみると、特に国立では差があります。東京の私立大学に占める東京都内の高校からの入学率よりも各都道府県の国立大学に占める各都道府県内の高校からの入学率の高い県は20、低い県は27となっており、低いほうが多くなっています。全国ブランドといえる旧帝大のある7都道府県を除いても、高:低は17:23であり、やはり低い県が多くなっています。
 国立大学での自県内高校からの入学者率の高い県の分布をみると、北海道及び北東北あるいは九州といった外縁部に見られる他、特に注目されるべきは東海地方の各県が揃って高くなっていることです。都道府県別で最も高い値は沖縄県の68.0%ですが、それに続くのが愛知県の64.0%で、これは北海道の56.7%を上回ります。沖縄や北海道が高いのは他の道府県までの距離の遠さや本州との所得格差などがあることに加え、北海道では札幌だけでなく、小樽、旭川、帯広、室蘭、北見、釧路、函館、岩見沢と広い道内の各地に国立大学のキャンパスが分散して域内需要を取っていることもあると思われます。それらと同等に愛知県が、いくら県内に名大・名工大・愛知教育大と3つも国立大学があるにしても、極端に地元の高校からの入学となっています。
 また、関東各都県は全体的に低いものの、唯一群馬県だけが50%を超える高い値となっています。

 以上のような東京の私立大との対比を地図にしたのが下図です。
 地方国立大学は、ともすれば地域のためのローカルな存在で学内は地元民だらけと想像され易い所ですが、実施には東京の私大層以上に自都道府県内の高校からの入学者率が低いところが多くなっています。通学の容易さなども関係し、面積の小さな県ほど低くなりうるポテンシャルがあるとはいえるのですが、それでもなお、ローカル性が高いというイメージは入学者の出身高校からは言えない実態となっているのです。
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 ちなみに、下図で東京都の私立大学の学生数規模をみると、東京都内にメインキャンパス等のある116大学のうち、早慶上理ICU・GMARCH・成成武國明学、日東駒専といった全国ブランドといえる上位有名大学である20大学、すなわち全体の17.2%の有名大学で、学生数の過半数(50.7%)を占めています。上述の学校基本調査の入学先の「大学の所在地は,入学した学部の所在地による」ため、下図の全学学生数(約79万人)と一致しない(学校基本統計における東京都内の学部在籍の私立大学生は約60万人)が、一部の有名大学にかなりの学生が集中していることには相違ないとみられます。そのため、全国ブランドの大学が数字を引き下げていたとしても、依然東京都内の私立大学における東京都内の高校からの入学率が約1/3(33.5%)になっていることが注目されます。あるいは、全国ブランドの私大であってもやはり立地する地域内というローカル性が国立大学に比べて高いものであるという可能性もあります。
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