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zoom RSS 著者の所属大学別論文数(補足)

<<   作成日時 : 2015/03/22 15:55   >>

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さて、先に示した2010年〜2015年3月までの論文本数ランキングなのですが、いくつか課題があります。

(1)抽出上の正確性
・名称の併呑関係

 今回和名の文字列として検索したのですが、「○○大学」というのを検索した際に「××○○大学」というのを含んでしまいます。
 例えば、「東京理科大学」と検索した場合には「山口東京理科大学」や「諏訪東京理科大学」も含んでしまいます。「専修大学」と「石巻専修大学」も同様です。
 これらは、まぁ同じ大学グループですから合算で処理したでもいいのかもしれませんが、全く関係のない大学同士というのもあります。例えば、「成蹊大学」と「大阪成蹊大学」や、「東邦大学」と「愛知東邦大学」など。これはちょっと紛れてしまうのは良くないですね。ただ、今回、特に処理はしていません。なにせ論文ごとの詳細を一つ一つみてみなければいけませんですから。
 「中を見なくても、単純に減算すればいいじゃん」と思われるかもしれませんが、そう簡単ではありません。「東京理科大学」のグループなどは顕著ですが、共同研究で「東京理科大学」の研究者も「諏訪東京理科大学」の研究者も双方1つの論文に連名していることも少なくありません。「関係のない大学なら…」といっても、例えば「広島大学」と「県立広島大学」のように近隣の大学同士や、「電気通信大学」と「大阪電気通信大学」のように研究分野が近接した大学同士もまた、共同研究が考えられます。中を見ずに処理はできないのです。
 さすがにそれは大変です。
 一番厄介だったのは、新潟県にある大学院大学の「国際大学」。なにしろ「国際大学」で検索すると、ありとあらゆる「○○国際大学」が引っかかってしまうものですから、検索結果は1,700件超に及びました。さすがにこれは乖離しすぎなので、新潟の国際大学(院)だけは英名の「International University of Japan」で抽出した数だけでランキングに入れてあります。

・英名のみの所属の扱い
 今回は和名で抽出しましたが、英文による論文も少なくなく、その際の所属機関の表記は英名であることも少なくありません。
 これからのグローバル化、ならびに世界ランキングで日本の大学の価値が図られようとしている中、このような論文のウエイトは固まるでしょう。上記の新潟の国際大学も英論文だけで100本を超えています。
 「ならば和名と英名の双方で検索して合算すれば」とも考えたのですが、和文の論文であっても雑誌によっては所属機関の表記が和名だけのものも、和名・英名の双方が記載されているものもあります。よってダブルカウントが内容に関係なく発生してしまいます。「or」を入れても検索したけど、やっぱりうまくは行かなかった(やり方に見落としがあるのかな)
 今回は、国際大学(院)を除いて和名だけですので、実際は表記本数よりももっと多数の論文が発表されている大学があるかもしれませんが、そこはまだフォローできていません。

・漢字圏の大学名の混入
 和名で検索、すなわち基本的に漢字表記の大学名で検索したのですが、中国・台湾などの大学から日本の学会誌に投稿、あるいは共同研究に連名している場合で、日本の大学名と同一、あるいは併呑されている場合、それもカウントされることになります。
 たとえば、今はなき「呉大学」で検索すると台湾の「東呉大学」の研究者の論文ばかり数本引っかかりました。これはどこに隠れて加算されているか分からないですね。

 上記3点の課題については、国立情報学研究所主体でコーディングとかで機関を明確にできるようにして欲しいかな。学術雑誌公開支援事業によりNII-ELSに登録された研究紀要については紐づけされているようですけど、全体ではなさそうです。
 ぃゃ、確かに「このデータベースは研究者への利便のためにあるものだから、勝手にランキング付けとかに利用されても困る」という話はあるでしょう。
 でもね、これから子供達や社会が大学を評価するときに、「どれだけ論文を出して、学界や世界に研究を問うているか」という観点を、日本に広めなきゃいかんと思うのです。今後も偏差値・難易度や就職状況などは、引き続き大学選びの重要な観点として生き続けるでしょう。ただ、それに伍するぐらい「研究機関としての魅力や積極性」というのももっと選択肢に入っていくことが必要でしょう。現に本当の名門進学校の生徒や先生はそういう情報に目を向けています。

(2)情報量の問題
・学会や雑誌による差異

 このCiNii Articlesでは約1,700万の学術論文情報が収録されているようですが、すべてに所属機関のデータが付与されているようではなさそうです(セルフサーチしてみたら、私が商業誌や大学内研究所の紀要に書いたものは所属機関のデータ無しで載っておりました)
 これについては各雑誌や学会によって状況が異なりそうで、それによって各大学の強い分野が反映されたりされなかったりがあるようです。
 まず、情報学関係の学会などはしっかり参加している感があります。次いで工学関係もかなり入っていそうです。一方で、人文社会科学系は弱いかなっという感触は検索しながら感じました。
 「どんな学会があってどんな研究や議論がされているのか」は、世間一般や大学を目指す高校生らにはよく分かりません。是非、各学会とも学会誌などをこのようなデータベースにできるだけ詳細な情報を開示しアクセスし易くして頂きたいとともに、自らの存在を積極的にアピールしてもらいたいですね。
 また、一般誌や商業誌も同様です。特に社会科学系の研究者は現在の課題について一般に広く発言されているかと思います(そうでないと困ります)。CiNii Articlesは国立国会図書館のデータベースとも連動しているようですが、やはり一般誌なども発言者の所属なども分かるような形のデータベースにして頂きたいかなと思います。

・大学紀要の取り組み
 規模やレベルで差が無いように思える大学間で本数の差が出ている場合、どうやら自校の紀要類の情報が十分に出されているか否かの差があるように感じました。当然、自校の研究者の論文が多く載りやすい大学紀要で所属機関の情報が抽出できれば、上記の大学のランキングでより上位となるはずです。
 しっかり研究をしている大学である姿を示すためにも、各大学ともいっそう大学紀要や学内学会誌などの詳細情報を積極的に提示して頂きたいと思います

(3)論文の質の問題
・査読などの明示

 上記のとおり、量を求める一方で質の面でも分かり易い方がいいかな。
 もちろん、どこに書いても価値はあると思いますが、学術誌としてグレードの高いものや、一般向けのもの、チャレンジングなペーパーなどいろいろあると思います。学会内の人なら、どこに載っているのもがどういう位置づけにある物かは分かるでしょうが、一般の人や高校生からはなかなか見分けがつきません。
 そういった位置づけ、少なくとも査読の有無などが分かるようにデータベース上で検索できるのが望ましいかと思います。

・被引用などのデータの無償化
 どうやらCiNii Articlesで有料契約すると被引用などのデータも取れるようですね。最近の世界ランキングでもこういう評価がかなり左右するようです。
 日本人が広く論文や大学の質、注目すべき研究者などを知るためにも、被引用などの情報を安く分かり易く一般に提供して頂きたいものです。大学選びはそういう時代に入ってきているかと思います。

 ま、とやかく書きましたとおり、現時点でCiNii Articlesを使った大学の比較・ランキングはデータの限界から要注意なところはありますが、論文の本数というのは一つの重要な情報ですので、現時点で可能な数字をみてみた次第です。

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著者の所属大学別論文数(2010年以降2015年3月現在まで)
 国立情報学研究所が提供している論文や図書・雑誌などの学術情報データベース・サービスであるCiNii(NII学術情報ナビゲータ[サイニィ])の「日本の論文をさがす」(CiNii Articles)より、著者所属を各大学の和名で検索(出版年は2010年以降で2015年3月21日時点まで)し、検索結果の件数を集計してみた。  なお、名称変更や合併などがある場合、後継の大学に加算しています。  例:・「北海道工業大学」の本数は名称変更後の「北海道科学大学」に加算    ・「聖母大学」の本数... ...続きを見る
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2015/03/22 15:57

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