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zoom RSS 「就職力の高い・低い大学」の構成って?

  作成日時 : 2014/11/30 23:47   >>

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 世の中に対して何の役にも立たないけど、なんとなく数字とかを作ってみるこのブログ。

 最初は大学ネタ。
 ただ、多分何回か大学ネタが続くかな。

1)はじめに
 我が国の少子化が言われる中、しかし、大学は増加し続けてきました。
 先日も湘南医療大学長野保健医療大学鳥取看護大学の3大学の新規開学が大学設置・学校法人審議会で答申され、来年度の開校がほぼ確実になりました。

 いくら大学進学率が上昇しているとはいえ、さすがに増え過ぎて、いわゆる「大学全入時代」がほぼ現実になりそうです。
 そうなると、大学の質なども問題になりますが、同時に、学生を集められず、閉校に追い込まれる大学も出て来るでしょう。
 現に2000年代に入り、いつくかの大学が門を閉じることとなりした。

 このような事態に先駆けること20年前より、エール出版社より「危ない会社」シリーズの一環として、「危ない大学・消える大学」が島野清志氏の著作で出版され続けています。
 同書の中では、大学を分類し、この先、存続が危ぶまれる大学名を明示されています。

2)就職力別の大学グループ
 さて、今回数値化を試みるのは、上記「危ない大学〜」で「偏差値と総定員充足率」を軸した分類に、さらに「卒業生の上場企業の社長数・役員数」を加味して島野氏が作られた「就職力」分類です。
 この就職力については同じ出版社からの同氏の著作「就職でトクする大学・損する大学」のシリーズで、2015年版(2014年3月刊)を用います。
 同書で就職力が高いとされる順にSA・A1・A2・B・C・D・E・F・G・Nという10段階の格付けのグループに整理されています。また、格付けを見送っている大学群もあります。なお、通常の四年制大学が対象となっており、大学院大学、通信制大学、省立大学校、短期大学は除かれています。
 各グループに付けられている副題の一部を示すと(前掲書p67〜77)、A2は「就職活動に自信の持てる大学」、Bが「就職で割を食うことはない」、Eが「個々の学生の資質がより問われる」、Fが「失礼ながら高望みは慎むべき」、Gが「厳しい就職戦線を覚悟すること」、そしてNが「就職の面でも危ない大学の候補校」などとされています。
 このグループをもとに分析を図るのですが、島野氏の区分のままだと細かく成り過ぎるため、副題なども参考にグループを以下のように本ブログ筆者が集約・命名しました。

無敵:SAグループ
優良:A1グループ
有利:A2グループ
可能:Bグループ
不利:Cグループ及びDグループ
苦戦:Eグループ及びFグループ
困難:Gグループ、Nグループ及び学生募集停止・閉学が決定した大学
評価保留:新設のため実績評価が現時点で困難等により島野氏が保留とした大学、及び島野氏執筆後の開学等で今後評価対象になるとみられる大学
評価対象外:医・歯・薬、芸術、スポーツ・体育、宗教などの特殊分野の単科大学あるいはそれらが大部分を占める大学


 島野氏に見られたら「そんな言い方はしていない!」と怒られそうですが、私の勝手な解釈とご了承下さい。
 なお、評価保留の大学群について島野氏は「ほとんどの大学は就職において有利とは言えず、Fグループ以下のレベルと考えて良いだろう(前掲書p64)とされています。ただ、ここに豊田工業大学といった直近の評価の高い大学も含まれていたりするので、氏のいうとおり「ほとんど」であり、新興校でも全部がF以下でもなさそうです。

【無敵】
〔国立大学〕
大阪大学東京大学京都大学九州大学神戸大学北海道大学東北大学名古屋大学筑波大学東京工業大学一橋大学東京外国語大学お茶の水女子大学 以上13大学
〔私立大学〕
早稲田大学慶應義塾大学 以上2大学

【優良】
〔国立大学〕
広島大学千葉大学新潟大学岡山大学信州大学鹿児島大学静岡大学山口大学愛媛大学富山大学熊本大学金沢大学山形大学長崎大学埼玉大学横浜国立大学茨城大学岐阜大学香川大学群馬大学大分大学東京学芸大学九州工業大学大阪教育大学福島大学名古屋工業大学福井大学和歌山大学愛知教育大学山梨大学東京農工大学電気通信大学滋賀大学京都工芸繊維大学小樽商科大学奈良女子大学東京海洋大学帯広畜産大学 以上38大学
〔公立大学〕
首都大学東京大阪市立大学北九州市立大学大阪府立大学兵庫県立大学横浜市立大学高崎経済大学名古屋市立大学愛知県立大学都留文科大学静岡県立大学神戸市外国語大学京都府立大学埼玉県立大学福岡女子大学群馬県立女子大学神奈川県立保健福祉大学国際教養大学 以上18大学
〔私立大学〕
立命館大学明治大学関西大学法政大学同志社大学中央大学関西学院大学立教大学青山学院大学東京理科大学上智大学甲南大学学習院大学成蹊大学津田塾大学国際基督教大学 以上16大学

【有利】
〔国立大学〕
琉球大学三重大学佐賀大学弘前大学徳島大学島根大学鳥取大学など、計24大学
〔公立大学〕
長崎県立大学滋賀県立大学県立広島大学熊本県立大学下関市立大学名桜大学高知工科大学岩手県立大学宮城大学など、計47大学
〔私立大学〕
日本大学近畿大学東海大学東洋大学福岡大学専修大学龍谷大学神奈川大学駒澤大学名城大学京都産業大学明治学院大学國學院大學愛知大学東京電機大学南山大学獨協大学西南学院大学芝浦工業大学武庫川女子大学玉川大学大阪経済大学大阪工業大学東京都市大学東京経済大学同志社女子大学京都女子大学日本女子大学工学院大学椙山女学園大学成城大学武蔵大学東京女子大学フェリス女学院大学神戸女学院大学聖心女子大学白百合女子大学清泉女子大学学習院女子大学聖路加国際大学 以上40大学

【可能】
〔私立大学〕
帝京大学中京大学大東文化大学東北学院大学東京農業大学愛知学院大学関西外国語大学関東学院大学中部大学立正大学拓殖大学千葉工業大学愛知淑徳大学北海学園大学明星大学など、計33大学

【不利】
〔私立大学〕
国士舘大学九州産業大学神戸学院大学大阪産業大学文教大学摂南大学城西大学など、計78大学

【苦戦】
〔私立大学〕
帝京平成大学桜美林大学目白大学沖縄国際大学など、計114大学

【困難】
〔私立大学〕
大阪学院大学城西国際大学帝京科学大学日本経済大学など、計163大学
なお、このうち学生募集停止・閉学が決定した大学は神戸夙川学院大学福岡国際大学東京女学館大学聖トマス大学の4大学

【評価保留】
・新設のため実績評価が現時点で困難等により島野氏が保留とした大学:東京福祉大学名古屋学芸大学環太平洋大学長崎純心大学了徳寺大学など、計38大学
・島野氏の執筆後の開学等で、今後評価対象になるとみられる大学:山形県立米沢栄養大学敦賀市立看護大学大和大学など、計9大学

【評価対象外】
・島野氏が評価対象外としている医・歯・薬、芸術、スポーツ・体育、宗教などの特殊分野の単科大学あるいはそれらが大部分を占める大学:
〔国立大学〕東京藝術大学東京医科歯科大学など、計7大学
〔公立大学〕静岡文化芸術大学札幌医科大学福島県立医科大学奈良県立医科大学京都府立医科大学など、計14大学
〔私立大学〕北里大学日本体育大学大阪芸術大学東邦大学杏林大学東京工芸大学多摩美術大学武蔵野美術大学東京薬科大学順天堂大学京都造形芸術大学昭和大学北海道医療大学麻布大学など、計93大学

以上計747大学が分類されます(大学名の順は、在籍学生数順)。


3)大学数・学生数の構成比を作ってみた
 さて、まず全大学での上記区分の構成比を図1の円グラフで見てみましょう。
画像

 大学数では26.5%、つまり1/4強が無敵+優良+有利。
 ま、評価保留・評価対象外を除く国公立全部がこの範囲となっているので集中するのはしょうがない。島野氏は「国公立大学は全校すべてが就職でトクする大学と考えて良いだろう」(前掲書p78)としていることからこうなります。まぁ、実際は国公立、特に地方の国公立でもそれなりに苦労しているようですけどね。評価の付け方が社長数・役員数を反映させていることから、かつての地方国立大学の強かった時代の色がちょっと濃く出過ぎなのかな。言うことは分からなくはないけど、現在の国公立大学に対して、ちょっと甘いかなぁとは思う次第。

 次にこれを在籍学生数からみてみます。学生数は、蛍雪時代編集部『2015年度用 大学の真の実力 情報公開BOOK』旺文社(2014年9月)をもとにして、同書で不明な分は各大学HP等より補足しました。全体で255.1万人となっています。
 国公立が無敵+優良+有利に集中していることもあり、この範囲で既に53.6%、過半数を超えてしまています。大規模私立に比べたら小規模な大学が多いとはいえ、無敵レベルで大阪大学が約1.6万人、東京大学が約1.4万人、京都大学が約1.3万人、九州大学と神戸大学がともに約1.2万人、北海道大学と東北大学がともに約1.1万人ということで、国立の中でも大規模総合大学が上位に多いことから、無敵とした中だけでも、全学生数の7.7%に及んでしまう。優良でも広島大学や千葉大学の約1.1万人、新潟大学と岡山大学の約1.0万人などと大規模大学が多いです。

 このように上位層だけで過半数を占めてしまうわけですが、国公立大学からは大学院への進学の他、公務員や教職など、また最近の公立大学の開設で相次いでいる医療福祉・看護などの分野の割合が高いことを考えれば、実際の民間企業の就職の面からは数値ほどは国公立大学の圧迫はないのかもしれません。

 そこで、私立大学だけに限って構成をみてみると、下の図2のとおりとなります。
画像

 私立大学だけでみれば、大学数では無敵+優良+有利でちょうど10%。無敵は早慶の2大学だけなのでわずか0.3%。島野氏が「就職で割を食うことはない」とするBグループ=可能とした範囲まで含めて無敵+優良+有利+可能で15.7%。
 この就職が一定程度高いとみられる大学群に対して、不利+苦戦+困難の合計61.1%、さらに島野氏が「ほとんどの大学は就職において有利とは言えず」とみている評価保留としたものまで加えると68.3%。
 15.7%対68.3%。私立大学の圧倒的多数が就職上厳しい位置にあるということができるでしょう。

 ところがこれを学生数をみると、無敵+優良+有利+可能で54.1%と過半数を占めています。
 他方で不利+苦戦+困難は36.4%。これに評価保留まで加えても37.8%にしかなりません。
 結局、就職で優位に立っているのは大規模総合大学なわけで、無敵とした早稲田大学が約4.3万人、慶應義塾大学が約2.9万人、優良とした大学では立命館大学が約3.2万人に明治大学が約3.0万人で、ここに含まれるMARCH関関同立の全校が1万人越えで、さらに上智大学や東京理科大学も1万人越え。有利とした大学では日本大学が約6.7万人で日本最多の他、近畿大学が約3.1万人、東海大学が約2.9万人など計13大学が1万人越え。可能としたところでは帝京大学の約2.3万人の他、計10大学が1万人越え。
 一方の不利+苦戦+困難で学生数が1万人を超えるのは、国士舘大学、九州産業大学、神戸学院大学、帝京平成大学のわずか4大学のみ。そもそも島野氏が「危ない大学」の考え方で重視しているのが「学生が確保できて、経営が安定的であるか」という面があるため、就職力の方でも結果的に小規模大学が低位に集中してしまうことになります。もちろん、国際基督教大学(ICU)などのように小規模でも評価の高い大学はありますが、しかし、やはり小規模な大学の多くが就職力が弱いことは否めません。

 つまり、就職活動において「特定の上位有名私大生ばかり優遇されている」ように見えることは、実は「そもそも上位有名私大生の数が多いため」ということを示しています。15.7%の大学で学生の54.1%を占めているのですから、この序列が成績順だと言ってしまえば、上位1割ちょっとの大学で全体の平均レベルまでカバーしてしまっている構造だと。
 もちろん、利用させてもらった島野氏のグループ化の基礎は入学偏差値と上場企業の社長・役員数ですから、大学入学後の勉学や地域に根差した就職・就業などの観点からはこの区分の一概に実態を現しきれない面もあるでしょう。大学によっては特定分野では非常に強い就職先を持っているところもあるかもしれません。
 しかし、大手企業などを考えるなら、上述のような位置づけを下位私大生には肝に銘じるとともに、これから大学受験する子たちには、安易に下位を選んだ際に、先々の選択肢が沢山いる上位大生に抑えられることによって限定されやすくなる現実もよく考えて進学先を頑張って決めなきゃいけないということです。

<以下、次回へ>

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2014/12/01 03:41
各大学の全学平均偏差値 (2014年度入学者入試結果)
 以前に示した島野清志氏による「危ない大学・消える大学」では、大学を定員充足率と学部の平均偏差値との観点からグループに分類されています(個別数値は明示されていませんが)。  ただ、私としてはそもそも偏差値をそう扱っていのかという、素朴な疑問を持ちました。  それは、 ...続きを見る
数字作ってみた
2014/12/21 16:30
各大学の在籍学生数(2014年5月1日時点)
 以前、大学の就職力別の学生数の割合を計算してみましたが、その時と同様の2014年5月時点の大学別の学生数に、省立大学校や通信制なども加えて多い順に並べてみた。  ま、もう少しすれば2015年5月の学校基本調査時のデータも出るんでしょうけど、文部省外など一部のデータが出るのが遅れるようなので、とりあえず載せておきます。  結果として、日本最大の学生を誇る大学は…、放送大学となりました!  そりゃまぁ当然といえば当然と思われるかもしれませんが、しかし、次の規模の通信制大学が星槎大学で1... ...続きを見る
数字作ってみた
2015/06/29 02:55
偏差値順同世代人口に占める大学生数累積割合
 前回示した各大学の在籍学生数を2014年の平均偏差値別に並べて、上位からの累積学生数を計算して、それを同世代の総人口で割ってみた。  ここで、同世代の人口は、総務省統計局の人口推計での2014年10月1日時点の18〜22歳人口をもとに、4月からの半年間で半分が年齢が上がるという想定で、大学1〜4年生相当の人口を計算しました。その結果、同世代人口は約493万人となり、500万人を割り込む規模となっています。 ...続きを見る
数字作ってみた
2015/07/05 17:56

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